愛犬ラブラドールレトリバーと楽し苦し過ごした日々/寿命は?

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黒のラブラドールレトリバーを飼っていました。食事はドライとお肉の缶詰です。1日に2回あげていました。食事がそうなる以前はドライのつぶつぶを1日に2回あげていました。

 

ある日、仏前に供えた皿に盛った稲荷寿司が2個、きれいに無くなっているのです。家族は主人と私と飼い犬だけです。主人が食べたのかと思いましたが、皿が残っているのが不自然でした。それで気になって主人に尋ねたら、「知らない。」と言うのです。

 

怪しいのは飼い犬しかいません。けれど、濃く味付けされた油揚げなど食べさせたことはなかったので、まだ半信半疑でした。小さいときからお腹があまり丈夫ではなかったので、口に入る物のけじめだけは厳しくチェックしていました。

 

家では炊き立てのご飯を、必ず毎回仏前に供えますので、その供えたご飯のお下がりを飼い犬が食べてくれるようになっていました。きっかけは、あの稲荷寿司であったと今でも思っています。

 



カステラで驚くほどに元気になった!

ラブラドールレトリバーは高齢になると遺伝病で後ろ脚が動かなくなります。家のこも13歳と7か月の時、腰が抜けたようになって1週間、寝たきりになりました。その時の食事がカステラでした。

 

テレビで犬の最期にカステラをあげたら元気になったと言っていたのを思い出してあげることにしたのです。家のこはロールケーキに薬を混ぜて時々あげていましたから、カステラもよく似ているから食べるだろうとは思っていましたが、カステラを食べると見る見る内に元気になって、食べる量も半端なく多くなり、カステラの切り端を買ってきてあげるようになって1週間後には、歩けるようになりました。

 

やり場のない気持ちに苦しむラブラドールレトリバー

遺伝病で後ろ脚が動かなくなって、一度は良くなったのも束の間、主人が病気で入院し、留守になったことがきっかけで、再び歩けなくなりました。いつもいる主人がいないことが余程ショックだったとみえ、主人のいない部屋を見つめる目が寂しそうでした。

 

主人が退院してきたその晩、おしっこで外に出したとき、急に歩けなくなりそれから2か月、寝たきりになりました。
犬が寝たきりになると横向きになりますが、まだ歩けると飼い犬が思っているので立とうとするのです。立とうとしても立てないので、飼い犬にも怒りのような気持ちが起こったのではないかと思います。

 

凛々しく横座りして「どうして立てないの?」と訴えていましたが、でも立てないのです。やり場のない気持ちに憤っているかのようでした。
そういうときは飼い犬の怒りが収まるまで、そっとしておくしかありませんでした。

 

ラブラドールレトリバーの介護と家族の絆

おむつをするようになりましたが、大型犬の紙おむつはよいものがあまりなく、フラットの紙おむつで人間用の挟むタイプの紙おむつをくるむように包んでガムテープで止めていました。

 

おしっこと便は元気なときは外でしていたので、飼い犬がおむつの中での排泄を拒みました。かと言って体重42キロのラブラドールレトリバーを抱いて外に出すことなどできません。「おしっこはここでしていいよ」何度も話かけて、紙おむつの中でおしっこをしてくれた時はホントに安堵しました。

 

餌は肉の缶詰を餌入れに入れてそれを私が手で支えてやりました。餌を食べていたので、外に出られないからと言って便が出ないということはないと思っていたのですが、紙おむつをしてからは運動が全くできないので便が出ませんでした。紙おむつを付けてから1週間ほど経ったかぐらいに早朝、紙おむつの中に便をしたのだと思うのですが、その紙おむつから出ようとしてもがいたみたいで、硬い硬い便が床に張り付いていました。

 

犬はきれい好きですから、自分が便と同じ場所にいることが我慢できなかったのだと思います。当然、大掃除をしなくてはなりませんでしたし、飼い犬もアルコールで拭かなければなりませんでした。こんな時のためにと着古したTシャツやスエットを、20センチ×20センチぐらいの大きさに切ったものを用意していたので助かりました。

 

でもまだ元気でしたから、紙おむつの交換のときは42キロの体を半分持ち上げておむつ交換です。嫌がっていた紙おむつでしたが慣れてきて受け入れてくれました。紙おむつの交換ではこちらが腰痛に苦しみました。段々痩せてきたと言ってもまだ40キロ近くはありましたし、さぼる分けにもいかずもう「エイッ」の掛け声と気合で紙おむつを交換しました。それからずっと、腰痛は続いています。

 

寝たきりになって一月が経った頃から、床ずれができ始めて痛々しくて可哀そうで、抗生物質の化膿止めを塗りました。おむつの中で細菌が傷口から入らないようにするためです。Wコートの毛もゴソッゴソッと抜け始めたのもこの頃でした。ツヤツヤの黒い毛がカサカサの黒い毛となって抜けました。

 

死ぬ1週間ほど前には顔つきが変わって来て頭が陥没したようになり、目つきも変わって、もうダメだなと受け入れるしかないと思うようになりました。主人が飼い犬の頭を撫でてやろうと手をかざしたら「う~」と嚙みつきそうになり、脳にも何かしらの損傷が出始めていたようでした。便の状態も悪くなり体もやせ細り、おむつ交換であらわになる太ももの骨を見る度、胸が締め付けられました。

 

この頃の餌は肉の缶詰で一缶を2日ぐらいで使い切るようにしていましたが、段々食べなくなってきていて最期の3日間は流動食に頼りました。野菜とお肉を小さく小さく角切りにしたものをドロドロのゼリー寄せみたいにしたものとか、ミンチ肉のゼリー固めのようなものとかがあって、ちょうど人間の赤ちゃんの離乳食のようです。それを3日間食べて、最期は食べた流動食をもどし、それが気管に入って亡くなりまた。14歳と4か月でした。(寿命)

 

急にいなくなって、おむつの交換をしなくてよくても、飼い犬が横たわっていた場所を見ると、目に浮かんで、忘れることができなくなりました。嗅覚に敏感な犬でしたが、自分の臭いにも耐えざるを得ない日々が辛かっただろうなと思います。



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